明治43年「軽便鉄道法」が公布され、同45年北勢鉄道(株)が設立されました。
大正3年4月には西桑名と楚原間が開通し、昭和6年7月には西桑名と阿下喜の全線が開通すると同時に電化されました。
北勢線は地元住民の重要な交通手段として、また木材、砂利などの運搬手段としても経済成長期には欠かせないものでした。その後、三重交通(株)、三重電気鉄道(株)、近畿日本鉄道(株)に引き継がれ、さまざまな環境の変化から一時は廃線の危機に直面しましたが、近畿日本鉄道(株)、国、県、沿線市町の協力体制のもと、平成15年4月からは三岐鉄道(株)に事業譲渡されました。
北勢線は地域の高齢者や学生にとってかけがえのない交通手段で、その存続は地域づくりにおいても重要かつ不可欠なものです。また、一般的に鉄道は、車両、軌道、駅舎などを含め、社会的な役割を考えたとき、公共的な施設であると言えます。しかし運営については、ほとんどが民間鉄道事業者へ任せているのが現状です。
人口減少社会が進む中「福祉」「環境」「地域活性化」が大きな問題となっている現在において、地域鉄道をより明確に公共的施設であると位置付け、これらの視点に基づいた施策が必要な時代になってきています。
今後も、運営する「鉄道事業者」、利用する「住民」、そして地域の政策にかかわる「行政」の三者が一体となって役割を分担し、北勢線活性化のための活動を行う必要があると考えます。
北勢線事業運営協議会は、桑名市、いなべ市、東員町、三岐鉄道(株)で構成し、北勢線事業の運営管理及び利用促進事業を実施することを目的としています。